ビルが建ち並ぶような都会に住んでいる人からすれば想像が
つかないのかもしれませんが、私の実家では毎年冬になる前、
薪ストーブを燃やすために材木を切って保管しています。
薪ストーブは余り紙と薪によって火をつけるのですが、
そのための薪はあればあるほど良いのです。
そのために、私の実家が所有している山から木を斬り、
それを軽トラで運んで自宅へと持ち帰りそこから電動工具である
チェーンソーを使って最終的には細かく切っていきます。
実家では父がその役回りを担っており、毎年冬になる前にはチェーンソーを持って
木を切っています。小さいころは私もそれをそばで見ていたわけですが、
やがて高校生になると、父から
「そろそろお前もチェーンソーを使えるようにならないとな」と 言われ、恐る恐るチェーンソーの使い方を教えてもらいました。
そのころは学校でも簡単な電動工具を使ってはいませんが、
チェーンソーのような本格的な電動工具を使うのはそのときが初めてでした。
チェーンソーのエンジンをかけるとその振動がリアルに手へと伝わってきて、
最初はそれを持つのが怖かったのですが、実際にチェーンソーで木を切ってみると
それが楽しくなり、私はどんどん木を切って薪を作っていきました。
チェーンソーはひとつ間違えれば大ケガをしてしまう可能性のあるとても危険な
電動工具ですので、その扱いはとても慎重にしなければならなかったのですが、
初めてチェーンソーを使ったときは興奮していてその配慮にちょっと欠けていました。
そのくらい、チェーンソーで木を切るということはとても楽しい行為に思えたのです。
ただ、それ以来高校を卒業して上京してからは、一切チェーンソーを触っていません。
都会の生活に慣れてしまった私がチェーンソーを触るのは危険ですし、
今でもまだまだ現役で父がチェーンソーを使っているからです。
この調子だともう私がチェーンソーを使うことはなさそうですが、